2016年2月28日日曜日

東広島芸術文化ホール くらら について 「第3回 外観と1階の雰囲気」

第1回と第2回は、観念的な内容になってしまったので、今回から少し詳しく書くことにします。
まずは、外観ですが、ホールを持つ建物としてスッキリしているという感じがします。広島市内には、広島文化学園HBGホール、上野学園ホール、アステールプラザなどの大型ホールを持つ建物がありますが、どれも大きくて、遠くから見るとコンクリートの塊のように見えて威圧感を感じてしまいます。
東広島芸術文化ホール くらら は、大ホールと小ホールの2つのホールを持っていますが、差程威圧感を感じません。




日本の建築家は、西洋の石文化にコンプレックスを感じているのか、床や内外の壁に石を使うことが多いようです。また、大型建築物の正面の壁にガラスのカーテンウォールを採用することも多いようです。特に、超有名な建築家ほどその傾向が強く見受けられます。
出入り口近くの床に石を使うと、雨降りなどには滑ってしまい、危険な床になってしまいます。また屋内の壁に石を使うと、一見豪華に見えますが、堅く冷たい感じを与えてしまいます。
ガラスのカーテンウォールについては、地震時などの落下が心配です。また、日常では、空調費の増大にも繋がります。

東広島芸術文化ホール くらら はどのようになっているのでしょうか。
1階の外壁部分は、東面と北面の壁は、一見、石っぽく見える部分がありますが、コンクリート壁だと思います。
内部は、ロビーは落ち着いた色の絨毯となっており、安心感があります。ただし、やはり豪華さを出したいのか、2階に上がる階段は、大理石が使ってあります。全体の割合から見れば、石の部分は少なく、落ち着いた雰囲気が感じられます。

外壁については、東面と南面がガラスのカーテンウォールになっています。正直言って、地震対策が気になるところです。
南面については、日除けルーバーが設置してあり、空調費の節約対策を行う努力はされているようです。またガラス面にはシートが張ってあり、若干の日除け対策にもなっているようです。

施設の性格、他都市の類似施設との比較、及び経済性などから考慮すると、見栄えについては、それなりに色々な面を配慮された建物という感じがします。1階のロビー(こもれび広場)は、落ち着いた雰囲気がして、なかなか良いです。内覧会に参加された方でも、同じようなことを言っている人が居て、評判は良かったです。

1階のロビーの雰囲気が良いだけに、チョッと気になるのが入口の自動扉です。
一般的には、自動扉の材質はガラスではないでしょうか。公共施設、デパート、事務所ビルなど、最近は自動扉が常識ですが、どこもガラスの扉です。
ここの自動扉は、ステンレスです。非常に違和感を感じます。冷たくて、堅くて、重たい雰囲気が一杯です。全体的には、暖かくて良い雰囲気なのですが、なぜこの入口の扉の雰囲気を変えているのか疑問を抱いてしまいました。
透明がしたくなければ、せめて、淡い木彫にするとか、ガラスにシールを貼って雰囲気を変えるなどをする方が良かったのではないかと思います。


【注記】
(1) 広島文化学園HBGホール;正式名称は広島市文化交流会館、旧広島厚生年金会館
(2) 上野学園ホール:正式名称は広島県立文化芸術ホール、旧広島郵便貯金ホール
(3) アステールプラザ:広島市文化創造センター、広島市中区民文化センター、広島市国際青年会館及び広島市立中区図書館の併合施設

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